カスタマーセンターを立ち上げ、現在はリーダーに。
他のスタッフとともに、お客様の「登山」をサポートできることが何よりも嬉しい。
やまどうぐレンタル屋やYamakaraなどフィールド&マウンテンのすべてのサービスのお客様対応を担っている「カスタマーセンター」。その立ち上げメンバーであり現在はチームリーダーを務めているのが富永かおりさんです。
もともとは夏の富士登山シーズン限定の派遣スタッフとしてフィールド&マウンテンと関わりを持ち、その後スカウトされて正社員に。そんな富永さんにとっての仕事の魅力ややりがいとは?

■この会社が将来どう変わっていくのか、見たかった
――大学では経営学部で旅行・観光業の専攻だったと。
そうなんです。ただ、大学で学んだことを生かそうとフィールド&マウンテンに入ったわけではなくて。いくつかの仕事を経て、縁あってこの会社に入ることになったとき「そういえば、私、旅行業の勉強をしていたな」と思い出したというか(笑)。
――大学卒業後は、旅行や観光とは関係ない別の仕事を?
2年ほど不動産の賃貸管理会社で営業をしていたんです。その会社を辞めたあとは次にやりたいことも決まっていなかったので、派遣会社に登録してフリーターをしていました。
その派遣会社で紹介してもらったのがやまどうぐレンタル屋のコールセンターの仕事でした。繁忙期である夏の富士登山シーズンに向けて臨時スタッフを増員するということで募集が来ていたんです。
――その派遣の仕事がきっかけで社員に?
夏期限定の派遣スタッフとして3年連続で働いて、3年目が終わる2019年9月に社長の山田から「うちに来ないか?」と声をかけていただきました。
――入社の決め手は?
多い年には夏の富士登山者の約2割の人がやまどうぐレンタル屋を利用しているってすごいことだし、めちゃくちゃ面白いサービスだと思ったんです。私自身は登山はしないのですが、この会社が将来どうなっていくのか興味が湧いてきてそれで働いてみようと。
また、「Yamakara」という登山ツアーをやっていることも大きかったです。旅行はもともと好きで大学でも専攻していたぐらいなので、旅行業に関われることもフィールド&マウンテンで働きたいと思った理由の1つです。
――はじめは契約社員として入社し、2020年1月から正社員になっているんですね。
実は山田には初めから「正社員で」と言ってもらっていたのですが、私が「契約社員にしてほしい」とお願いしたんです。
というのも派遣時代は夏の繁忙期しか勤務しておらず、通年で働くことに漠然とした不安がありまして。もし仕事が合わないと感じたら契約社員ならば私も辞めやすいし、会社にも迷惑をかけないかなと。なので9月から12月までは契約社員で、もし続けたいと思えたら正社員でお願いしますと、私から提案させていただきました。
――雇われる側が雇用形態を提案するって、普通に考えるとすごいことですよね?(笑)
たしかに。しかも、当時のフィールド&マウンテンには契約社員の雇用制度がなかったのですが、山田が「いいよ」と受け入れてくれて(笑)。それで入社することになったんです。

■真っ先に取り組んだ「マニュアル作り」
―――山田社長が富永さんに声をかけたのは「カスタマーセンターを立ち上げるから来てほしい」ということだったのでしょうか?
具体的な話はされませんでしたが、たぶん山田には構想があったんだと思います。「会社が大きくなっていく中で、やまどうぐレンタル屋のコールセンターが独立した部署になってもいいと思う」という話はしていましたから。
――実際、富永さんが正社員となった2020年、御社の全サービスに関する顧客対応窓口として「カスタマーセンター」が設立されます。立ち上げメンバーとして大変なこともあったのでは?
社員として働くようになって私が最初に取り組んだのは、スタッフ用のマニュアル作りでした。当時コールセンター(のちのカスタマーセンター)にはマニュアルが何もなくて。新しく入ってきた人は先輩スタッフから仕事の内容をひと通り教わって、「じゃあ、あとはよろしく」みたいな感じだったんです。私としてはそれがすごく嫌で。そんなやり方をしていたら人は定着しないだろうし、働いていても不安になるじゃないですか。
だから、入社してすぐ「私、マニュアル作りますから」と宣言して、日々の仕事の合間を見つけては、自分たちの業務内容を文書にまとめる作業をしていました。
――誰かに指示されたわけではなく、ご自身の判断で!?
そうです。これから人が増えるのはわかっていたし、入ってきた人に仕事を教えるのは私の役割になることが予想できたので、先を見越して今のうちにやっておこうと。新人教育プラス自分の理解を深めるためのマニュアルです。
――やるべき仕事があれば、上からの指示を待つのではなく自ら考えて動く。そんなベンチャー企業らしい働き方が、富永さんには合っていたのかもしれないですね。

■リーダーとして、スタッフが働きやすい環境を作っていきたい
――フィールド&マウンテンの社員となって、もうすぐ5年。その間、ずっとカスタマーセンターで働き、今年4月からはチームリーダーになりました。富永さんにとって、今の仕事の魅力ややりがいとは?
個人的なことではあるんですが、何か不測の事態が発生して臨機応変に対応策を考えて、自分が動いたり人に動いてもらったりするのがすごく好きというか、アドレナリンが出るんですよね(笑)。カスタマーセンターでお客様対応をしていると、ときどき想像もしていなかったような問い合わせが来たりします。それにうまく対応できて、お客様に喜んでいただいたときが何より楽しいし、やりがいになっています。
――特に力を入れて取り組んだことを教えてください。
やはり先ほどもお話したマニュアル作りでしょうか。また、カスタマーセンターには現在社員が私1人で、パート・アルバイトスタッフの方が9人いるのですがみなさんとても優秀で。彼女たちにできるだけ長く働いてもらい、持っている能力を十二分に発揮できるようにいろいろ相談に乗ったり、働く環境をより良くしていきたいと思っています。
あと、最近のことですが社内でノベルティグッズの製作チームが立ち上がり、それにも力を入れていきたいなと。
――ノベルティグッズですか!?
もともと趣味でデザインや画像制作をやっていたんです。それで昨年末の社内面談のとき、山田に「何かオリジナルのグッズとか作りませんか」という話をしたら、「じゃあ、チームを作ろう」となって、本当にノベルティグッズのチームができてしまって。
すでに採用されたアイデアもあって、今そのデザインをまとめているところです。今後ももちろんカスタマーセンターの責任者としてスタッフたちが気持ちよく働ける環境作りに力を注ぎながらも、同時に新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
――ほかの社員の方が、フィールド&マウンテンには「アイデアや挑戦を否定しない」「良いと思ったことはまずやってみる」という企業文化があるとおっしゃっていましたが、まさにそれですね。
私にとってはそこがこの会社の一番好きなことで。この会社に入って、私自身すごく成長したし、人生や仕事への価値観が大きく変わりました。以前は正直、仕事というものに重きを置いていませんでした。でも、今はやりたい仕事がいっぱいあるし、より多くの人が登山を通じて人生を豊かにする特別な体験ができるように精いっぱいサポートしていきたいと心から思っています。
